専従者給与のメリット

専従者給与とは、事業主と生計を一にする親族に支払う給料のことを言います。

この給料は白色申告の場合は一定額しか経費にできませんが、青色申告の場合は全額が経費となります。(金額的に常識の範囲内にしないといけませんが)

 

青色事業専従者給与のメリット

 

青色専従者給与のメリットは何といっても、その節税効果です。

事業主の所得を家族に分散することで、まずは税率を抑える効果があります。給与を貰った家族の方でも給与所得控除があるので全額は課税されないという効果もあります。事業税に関しては、給与を貰った側では全く課税されないので、事業税の節税効果も大きいですね。

 

具体的に節税効果を試算すると次の通りです。

所得が1,000万円ある人が、専従者給与を支払わないと・・・ 

税目 計算式 税額
所得税 (1,000万円‐38万円‐38万円)×33%‐153.6万円 151万3,200円
住民税 (1,000万円‐33万円‐33万円)×10% 93万4,000円
事業税  (1,000万円‐290万円)×5% 35万5,000円 
合計 280万2,200円

所得が1,000万円ある人が、専従者給与を400万円支払うと・・・

税目 計算式 税額
所得税(事業主) (1,000万円‐400万円‐38万円)×20%‐42.75万円  69万6,500円
所得税(家族)  (400万円‐134万円‐38万円)×10%‐9.75万円  13万500円 
住民税(事業主)  (1,000万円‐400万円‐33万円)×10%  56万7,000円
住民税(家族)  (400万円‐134万円‐33万円)×10%  23万3,000円 
事業税(事業主)  (1,000万円‐400万円‐290万円)×5%  15万5,000円 
事業税(家族)  なし  0円 
合計   178万2,000円 

このケースだと専従者給与の支給によって100万円以上の節税になりました。これはやらない手はないですね。しかし、給与の金額は事前に届け出ている金額の範囲内で払わないといけませんし、何もしていないのに高い給与を支払っていると否認されますので注意は必要です。

青色事業専従者給与の要件

 

青色事業専従者給与を支給できる要件は、次の通りです。

 

  1. 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
  2. その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
  3. その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
  4. 青色事業専従者給与に関する届出書を提出していること。
  5. 届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
  6. 労務の対価として相当であると認められる金額であること。